電車内ではリュックは手に持つか網棚に置くのが推奨らしい。普通に前に抱えればいいと思う

電車内ではリュックは手に持つか網棚に置くのが推奨らしい。普通に前に抱えればいいと思う政治・経済・社会

混雑時の電車内ではリュックは手に持つか網棚に置こうと鉄道各社が啓蒙しており、前に抱えるのは近年あまり推奨されていないようだ。ただ個人的には前に抱えるのがベターだと思う。

KiTsuneの見解
  • 手に持つと手が塞がる分だけ不便。満員時では人の波に巻き込まれて持っていかれてしまう
  • 網棚はすでに満員時にそこそこ使われており啓蒙しても効果薄、荷物のトラブルが増えるデメリットが大きい
  • 総合的にリュックは従来通り前に抱えるのがベター

電車内ではリュックは手に持つ or 網棚に置くのが推奨らしい

記事はまず今年2月の関西の鉄道事業社19社によるマナーキャンペーンの例を挙げている。そこではリュックを前に抱えながら座っている女性とリュックを手に持ちながら立っている女性が描かれ、後者の女性に「リュックは手に持って」と注釈がつく形になっている。また「大きな荷物は網棚に」と。

関西の鉄道事業者19社局による共同マナーキャンペーン「手荷物の置き方、持ち方」を共通テーマとしてポスターを掲出します。

そして関西鉄道協会に取材したところ以下の理由が経緯が出てきたそうだ。

なぜ5年で文言が変わったのか。キャンペーンを取りまとめる関西鉄道協会に話を聞くと、「過去は前に抱えてという表現も使っていたが、身体的な理由など、何かしらそれができない人がおり、前に抱えられない人はどうしたらいいかと指摘されることがあった」という。

そこで問題の本質は「背負ったままでは迷惑」と整理し、「前に抱えることばかり注目されるが、まずは背負っている荷物を肩からいったん外して手に持つ、網棚に乗せる」ことを訴えることにしたという。なるほど「関西人の合理性」が背景にあるようだ。

混雑時にリュックを前に抱えるのは「マナー違反」…鉄道各社が「荷物は手に持って」と呼びかける理由

同様のメッセージの変化傾向は東京メトロのポスターにもあったようで、そちらに取材すると以下のような返答があったとの事。リュック自体に言及はないが、足元に持つ事(聞きなれない表現だが、手で持ち重力に逆らわない形で腕を自然に下げる事を指すようだ。後述)を推奨しています。

筆者は恥ずかしながらこの変化にまったく気付いていなかったので、どのような事情があったのか東京メトロに聞いてみた。すると、マナーポスターを担当する本社広報部と公益財団法人メトロ文化財団の打ち合わせの中で「車内が混雑してきたときは前に抱えても邪魔」との問題意識があがり、すべての時間帯で推奨できる「足元に持つ」形に統一したという。

混雑時にリュックを前に抱えるのは「マナー違反」…鉄道各社が「荷物は手に持って」と呼びかける理由

手で持つのも網棚に置くのも良いソリューションとは思えない

個人的にはリュックを前に抱えていた事によるトラブルを目撃した事はない。背負っている人は「後方の膨らみのせいで人が通れず、それに本人が気づいてないのでどいてもくれない」事で邪魔だと言われているのを見た事は結構あるが。

こうしたトラブルがあった事から以前は前に抱えるように言われていた経緯なので背負うのは論外として、リュックを手で持ったり網棚に置いたりというのは電車内のルールとして適切なのかを考えてみた。

手で持つパターン

まず東京メトロの「足元に持つ」という表現はどうやら一般的な「手に持つ」と同義のようだ。足元という言葉に引きずられそうになるが、画像を見ると重力に逆らわない形で普通に持っているだった。足元に「置く」わけではなさそう。紛らわしい表現↓

マナーポスター 2022年5月

で、そもそも手で持つメリットは思い浮かばない。背負っていた場合に使う事になる上方後方のスペースが下方前方に移動しただけだと思う。

考えつくデメリットは手が塞がる事。両手は論外、片手で持ったとしても残った片手で吊り革を掴んだらもうスマホも本も出せなくなっちゃう。

ある程度の混雑時は不便程度で済んでも、満員時では下方にある荷物って人の出入りに巻き込まれて波に持ってかれてしまうだよね。メトロが「全ての時間帯で推奨できる」と言う根拠がわからない。

ポスターはメッセージを伝えるためのデザインになっているのだと思うけど、満員電車という日本において現実的なケースを想定したメッセージ内容でないとあまり意味がなさそう。

網棚に置くパターン

もう一つが網棚に置くパターンで、これは活用できれば大きなメリットがあると思う。なんせ両手が使えるしスペースも空く。スペースが空けば輸送効率がアップする事になる。

ただ網棚は身長的に使えない方も多く、自分の手から離れるので荷物の盗難も考えられ(悪意のない取り間違いも)、そして利用が増えた分だけ紛失トラブルが増加する。データとかは持ってないけど電車内の忘れ物なんて手すりの傘を除いたらまず網棚への置き忘れじゃないだろうか。

ある程度の混雑時には特にメリットなく荷物紛失のトラブルが増加し、そして満員電車では現状すでにそこそこ使われている。なのでいくら啓蒙しても現実は大して変わらないと思う。

リュックは前に抱えるのがベターだと思う

満員電車でもそうでなくても、身体の前方のスペースはある程度使う事になる。吊り革を掴むとか本を読むとかスマホを触るとか。どこかにもたれかかっていない限り手を下ろして直立している人は私は見た記憶がない↓

マナーポスター 2015年8月
マナーポスター2018年5月

以下は私が注釈を入れた画像。リュックを手に持とうが背負おうがどうせ吊り革やスマホを掴んで(まさに画像のように)前方の空間を使う事になるが、リュックを前に抱えた場合はその空間の一部を有効活用できる↓

加えて目の前にあるので盗難や紛失の心配がなくハンドリングが用意であり、クッションとして他者との正面での身体の接触も防げる。両手を使えたまま。

以上の理由から私は関西の鉄道事業者や東京メトロのコメントを読んだ上でなお、リュックは前に抱える状態がベターだと思った。前に抱えても邪魔ならそれはリュックがどうとか持ち方がどうではなく乗車率の問題だと思う。

KiTsuneの見解
  • 手に持つと手が塞がる分だけ不便。満員時では人の波に巻き込まれて持っていかれてしまう
  • 網棚はすでに満員時にそこそこ使われており啓蒙しても効果薄、荷物のトラブルが増えるデメリットが大きい
  • 総合的にリュックは従来通り前に抱えるのがベター

記事内に出てきた関連リンク↓

関西の鉄道事業者19社局による共同マナーキャンペーン「手荷物の置き方、持ち方」を共通テーマとしてポスターを掲出します。 | westjr.co.jp

混雑時にリュックを前に抱えるのは「マナー違反」…鉄道各社が「荷物は手に持って」と呼びかける理由 | president.jp

マナーポスター 2022年5月 | metrocf.or.jp

マナーポスター 2015年8月 | metrocf.or.jp

マナーポスター 2018年5月 | metrocf.or.jp

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